最近はインターネットで様々な情報がGETできるので、ホテル業界や飲食業界がブラックなのはご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回はどの程度ブラックだったのか、具体的に実体験をもとに書いていきます。
私が勤務してたのは、関東圏にある中規模なレジャーホテルでした。
閑散期と繁忙期に分けて紹介していきます。
実は閑散期はそこまでブラックではないのですが、繁忙期はゴリゴリのブラックになるのが特徴です。
人手不足なので、料飲部門とフロント部門とのマルチタスクは当然です。
まずは閑散期からみていきましょう。
早番、中番、遅番とシフトがありますが中番の流れを書いていきます。
某レジャーホテルの1日の流れ(閑散期)
10:30・・・ 出勤 まずはランチタイムに備えて開店準備をします
11:00・・・ ランチ営業スタート
14:00・・・ ランチ営業終了~昼のレジ締め業務
14:30 ・・・ 1時間休憩
ここまではいたって普通ですね。
朝食は外国人のパートさんが担当してくれるため、社員は10:30出勤になります。
もちろん休憩中に来客があった場合や、打ち合わせが急に入った場合は休憩は中断してなくなります。
15:30・・・フロント業務へ チェックイン開始
18:00・・・レストランの応援へ(ディナータイムのピークは18:00から)
22:00・・・夜のレストランレジ締め業務及び店内清掃
22:30・・・退社
拘束時間としては約12時間になります。
表向きは休憩時間2時間になってるので、残業手当は2時間だけ出ます。
また大規模な宴会やパーティーがある場合は、閑散期でも設営や手配に追われ休憩時間は完全にゼロになります。
某レジャーホテルの1日の流れ(繁忙期)
さて、ここからがブラックな環境のホテルの本領発揮です。
繁忙期とはざっくり言うと団体様の対応で、ツアー旅行や野球、サッカー、ゴルフなどの合宿利用などですね。
とくに忙しいのがスポーツの合宿利用になります。
数日間の合宿もあれば、大学やプロのように数週間や1か月以上に及ぶ長期間の合宿もあるわけです。
小中規模ホテルの場合、つねにギリギリの人員配置で回してるため、当然ながら団体様の対応は苦しくなってきます。
例え団体様が宿泊しても従業員が増えるわけではないわけで・・・
なにせ毎日、場合によっては100人以上のお客様が朝食、昼食、夕食、と3食必ず食べるわけですから忙しいに決まってます。
それでは具体的に繁忙期の1日(スポーツ合宿期間中)の流れを見ていきましょう。
- 5:00・・・出勤 まずは団体様の朝食の準備です
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朝食時間が6:30からですので、ひたすら準備に追われます。
大規模なパーティー会場なのでとにかく大変です。
なにせ団体様が100人いてもサービス係の人間は自分を含めて2人しかいません。
またシェフも1人か2人しかいないため、少しでも段取りが悪いと容赦なく罵声が浴びせられます。
無駄にピリピリするし余計なストレスも朝一からかかります。
基本的に仕事に追われ、全部署の人間が心を亡くしイライラしてるのです。
- 6:30・・・朝食開始~片付け
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無事に朝食が終われば今度は片付けからの夕食のセッティングです。
昼食は合宿場所に配達のため、夕食のセッティングをこの時点で出来る限り進めておきます。
- 8:00・・・チェックインの準備及び予約確認など
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朝食対応が終われば2時間ほどフロント業務に戻ります。
- 10:00・・・昼食の配達
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車で片道30分程度かかる場所へ、人数分のお弁当を配達します。
- 11:00・・・ランチタイムの応援
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ここも閑散期と同様にレストランの応援へ。人出不足でバタバタして大変です。
- 14:00・・・ ランチ営業終了~昼のレジ締め業務
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ここでやっと休憩にはいれます。すでに腹ペコで倒れそうです。
- 14:30 ・・・ 1時間休憩
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閑散期と同様に業者対応や打ち合わせが入った場合は休憩は消えます。
また、会議や小規模な宴会の設営業務がある場合も休憩を削られます。
その場合の休憩時間は、ご飯を食べる間の約5分ほどになります。
- 15:30・・・フロント業務へ チェックイン及び電話対応
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繁忙期の場合、もはや事務作業が休憩みたいなもんです。
なぜなら一瞬だけでも座れますから。
- 16:30・・・団体様の夕食準備開始
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ここも朝食と同様に、夕食が18:00からですので準備に追われます。
当然ながら人手が足りてないので、てんやわんやで大変です。
忙しすぎてシェフも殺気立って来てるので、空気の悪さはここでは表現できないほど・・・
まあどこのホテルも似たようなものだと思いますがね。
- 19:30・・・レストランの応援へ
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片付けもそこそこにして、返す刀で今度はディナータイムのレストランの応援です。
- 22:00・・・夜のレストランレジ締め業務及び店内清掃
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ここまで来ればゴールが見えてきました。
心身ともに疲れ果てています。
- 22:30・・・退社
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拘束時間としては約17時間以上になります。
飲食業界やホテル業界ではこのくらいの拘束時間は普通なのですが、休憩がほぼ取れない時は本当にきつかったです。
普通に意識が飛びそうになったことも多々ありました。
労基の関係でタイムカードを打刻しないように指示を受けたこともざらです。
不思議と残業時間は合法的な範囲内に収まるという・・・
まさに洗脳に近い状態でしたね。
おまけ シフトに欠員が出た場合
実は一番辛いのが従業員の体調不良などにより、突然シフトに穴が開いた場合です。
ブラックなホテルは常に人出不足なので、突然シフトに入れる人間などいない為、当たり前のように欠員が出たシフトにねじ込まれます。
特に夜勤の人間が体調不良などにより、当日に欠員が出た時は地獄です。
朝5時から夜22時くらいまで約17時間くらい頑張って働いて、さあ帰ろうと思ったら
実は夜勤のA君が熱をだしてね、そのまま夜勤にはいってくれないかね
はい、わかりました(お前がやれよ)
このようなくだりが当然のようにあるわけです。
夜勤は夜22時から朝の10時まで入る必要があるので、さらに12時間拘束されます。
夜勤は仮眠が少し取れるとはいえ、事実上約30時間ほど連続勤務になるわけで、本当にきつかったです。
この時は当たり前のようにタイムカードを押さずに働いてましたが、当時の私は本当に無知で愚かでした。
ブラック企業にこき使われただけだったのです。
今ならそんな無茶な指示を受けた時点で、即辞めてます。
真面目で責任感が強い人ほどブラック企業に付け込まれて、いいように使われるだけなので本当に注意してください。
ホテルマンが辛い理由
ここまで読めばホテルマンが辛い理由がなんとなくわかるのではないでしょうか。
俗世間でブラックと言われる要素はすべて揃ってますし、終始立ち仕事で強靭な体力と精神力が求められます。
その割に給料が安いという恐ろしい現実。
人出不足で募集が多いからと言って軽い気持ちで入ってしまうと、すぐに辞めてしまうかも知れないので、これからホテル業界を目指す方は、耐えきれる覚悟があるかどうかもう一度よく考え直してくださいね。。
私のホテルのようにここまでブラックなホテルは稀だとは思いますが・・・
まとめ
冷静に当時を思い出してみると、完全に時間の無駄でしたね。
どう考えても、もっと早く辞めるべきでした。
自分は『こんなにも頑張ってる』って酔いしれてるだけで、誰も幸せにできていないのです。
そもそも人手不足な状態でホテルを営業してもサービスの質は落ちるのでお客様を幸せにできません。
私が働いてたのはいわゆるレジャー型のホテルだったのですが、最近では部署の垣根を越えてマルチタスクが求められるようになり、ますますブラック化に拍車をかけてます。
また長時間労働して頑張っても家族との時間は減り、すれ違いが起こりやすくなり、自分自身も疲れ果てて幸せじゃなくなります。
実際にホテル業界は離婚率も離職率も高いのです。
結果として、ブラックな職場は誰も幸せになりません。
唯一幸せになるのはブラックな職場の経営者くらいでしょう。
これに気付くのが遅すぎました。
ホテル勤務が辛いと思ったらブラック企業の可能性が大いにあります。
もしもあなたのホテルがブラックな場合は、手遅れになる前に転職を考えたほうがいいでしょう。
ブラック企業はあなたの心や体を壊し危険ですからね。
人生は一度きりです。
しっかりと自分自身で考えてみましょう。